できごと

わかりやすく定期的に、基礎的な色んな福祉制度を活用する権利があることを、その制度の内容を伝えてほしい。

ある人が、何年か前に肺がんで、呼吸器をつけて苦しそうに亡くなった時のこと。

 

苦しくないようにとキッチリ医師に頼んでいたそうだけど、呼吸器じゃない方法があるのか、看取りに来た私は他者だし、色んなことが何もわからなかった。

 

最近やっと、病院・ホスピス・在宅でそれぞれ15%ずつ、がんの方へ鎮静の薬を使っていることを知った。がんの方が望む場合、眠って胃カメラをするような時に使うのと同じ薬を処方して、亡くなる数日前の非常な苦しさを和らげることができるとのこと。

 

もしとても痛みや苦しみがあったら、私もその薬を使ってもらおうと思った。

 

でも、私が看取った人のように、「苦しくないように」と医師に言っていても、「鎮静の薬を処方して欲しい」と言わなければ、そして医師が緩和医療に精通していなければ処方されないことがある。

 

子どもたちが

「施設は嫌だ」と言えても、「里親のところへ行きたい」と言わなければ、検討してもらえないことがあることを考えた。

あるいは母子支援施設の複数の相談電話につながれない母子のことも、考えた。

生活保護を申請に来た、と言わねば水際で返されることと、餓死した方のことを考えた。

 

このような方々や子供達には、本当に、わかりやすく、定期的に、基礎的な色んな福祉制度を活用する権利があることを、その制度の内容を伝えてほしい。

 

そして自分がまず知れば、ふとした時に必要な人へ情報を渡せる。こうして欲しかったと泣けて自分を癒すこともできる。何もできないとおもいがちな私だけど、それらを大事にしたいと思った。