里親さんのもとで、はじめの動き出した時間。
ドラマ「はじめまして、愛しています」のはじめほどではないけど、施設では、廊下ですれ違う時にしがみついて噛みついて来る子は、実はいた。
その前後のエピソードはゼロだけど。
その子どもの名、年、顔つきも覚えていない。
同じように噛みつく子どもでも、決定的な違い。
はじめは、新しいお母さんになってくれるひとに噛みついた。
どんな葛藤が苦しみがあるにしろ、
通りすがりのちょっと年上の子どもの私などには決して不可能な事が
新しいお母さんには、出来るのだ。
はじめのような小さな子の苦しみ、それを小さな子がたとえわたしに表現してくれたとしても、通りすがりの、建設的なところが無いものなんだと思った。
はじめが噛みつきのような、苦しみの表現を、
ずっとそばにいてくれるあたらしいお母さんに出せて本当に良かった。
はじめの時間は、動き始めたのね。