季節里親・週末里親から養育里親・養子里親になった話
季節里親・週末里親から養育里親・養子里親になった話をいくつか。書籍『あたらしいふれあい第2編』、p64〜。(本文抜粋ではエピソードがとぎれとぎれになるので私の言葉に変えて説明)
5歳のMちゃん。お正月里親にMちゃんを迎え、おおわらわで過ごしたのち、考えに考えて覚悟をし養子里親になる決心をしたAさん夫妻。
外泊をくり返し、夏頃にAさん宅にひき取られた。施設では自分一人で服を着たり、一人で食事をこなすMちゃん。それに大抵の1回限りの季節里親は、子どもはいい子ちゃんで頑張り、その子らしさを半分も出さないのだそう。
でもMちゃんはお正月、好き放題をし好きな時間に寝て起きて、食事はすべて食べさせてもらわないと食べず服も着させてもらう。
外泊時もそうで、それでいて外泊から施設へ帰るたびに施設生活のスケジュールにぴったりと自分を合わせる。
養子として育てたい気持ちが決まってからは、そんなMちゃんをすっきりした気持ちで受け入れたAさん夫妻。赤ちゃん返り、愛情のたしかめの行動、反抗期を一度に5年分出してくるMちゃん。絆をつなぐための戦い。
そして月日が経ち、随分落ち着いた。今では奥さんのまわりを走りまわる活発なMちゃんには、幼児の施設での消え入りそうな表情のMちゃんを重ね合わすことは難しくなったのだそう。
◇◇◇
機関紙「あたらしいふれあい」2013年4月20日、p7より引用
大阪府里親支援機関だより
(略)特に印象深かったのは、支援機関でマッチングをした2組の週末里親さんが、養育里親になることを決断されたことです。(略)
当時6歳のAくんとBさんが出会ったのは平成23年の5月。発達に遅れがあり、おねしょはほぼ毎日。嫌なことがあると家中に響き渡るような大声で泣き叫ぶAくんでしたが、Bさんはどんな困ったことでも笑顔で話され、Aくんとの関わりを楽しんでおられました。
(略)
当時中学2年生のCちゃんとDさんは、平成23年度の冬季2泊3日里親で出会いました。2泊3日を楽しく過ごしたCちゃんでしたが、一番の希望は里親さんの家で生活することだったため、週末里親としてDさんに継続して関わってもらうのか、養育里親として引き受けてくれる里親さんを待つのか、悩みました。悩んだ末、Cちゃん本人がDさんに週末里親として関わってもらうことを決断し、活動が始まりました。そんなCちゃんの気持ちを知ったDさんは、活動が始まるとすぐに子ども家庭センターへ行き、研修を受け、Cちゃんを養育里親として迎え入れる準備をしました。そして今年の春、Cちゃんは高校生になり、Dさんのお家での生活が始まりました。
BさんもDさんも、初めは「里親登録までは踏み出せないが、週末里親ならできるかも」という気持ちで協会に来られました。子どもと出会い、たまたま双方の事情が許したことで養育里親となられましたが、養育里親も週末里親もそれぞれに役割があり、子どもにとって必要な存在です。BさんやDさんのように、「まずはできることから」と一歩動かれることで、一人でも多くの子どもに出会いのチャンスが巡ってくることを願っています。(引用終わり)