できごと

『施設内虐待を防止するために』より抜粋

 施設内虐待について、できるだけ平常心で、起きたことを起きたとわかりたい。けれど、下記のビビーは驚かずに事実に対処できても、私は、驚きがち、起きていなかったと自分に言い聞かせがち。専門家の調査報告を拠りどころにだきしめて、枕もとに置いて安眠する。私には被害を実感・把握する個人の時間、加害を実感・把握する個人の時間、2つから脱出する個人の時間が必要だ。油断すると私は、子供の頃のあれらの出来事を、人生で一番素敵な時間だった、と考えようとする。こういう子どもを人間を2度とつくり出してはならないと思う。

 

施設内虐待を防止するために より抜粋

p11

1989年、ロンドンのブレント区社会福祉部部長代理であるピーター・ビビーは、彼自身のソーシャルワーク実務経験からすると、どの年を取っても、入所施設の75%で性的虐待事件が発生しているということを見出しても驚かないと主張している(ビビー、イートン編、1989)。

 

前述のように、施設内虐待が高い割合で起こっていることは、自分から訴え出たケアを受けている50人の若者のグループによって、ネイピックへ報告された(モス、1990)。グループの若者の65%が性的虐待を、75%が身体的虐待を訴えており、80%が拘束/謹慎処分が過剰または違法に使用されていると訴えている。

 

p12

リンドフライシュとラーブ(1984b)は、施設内虐待の発生頻度は家族内虐待の2倍であると結論づけている。(下線訳者)

 

ヌーノウとモッツ(1988)は、ある州では同州の精神保健諸施設にいる子ども100人当りの虐待通告率は州人口全体の虐待率の3倍である、と述べている。

 

パリー(1987、トーマス編1990)は、175人の児童ケアワーカーに対する非公式調査の結果2/3のワーカーが「仕事中」さまざまな機会に虐待とみなせる出来事を目撃したと答えていると、報告している。

 

グロウズは、総括すると(略)虐待の訴えは入所者100人中58.7人の割合で起こっており、入所者100人中8.5人の割合で虐待が確認されていると報告している。それゆえに、これらの数字は、虐待の訴え・虐待の確認のいずれにおいてもリンドフライシュとラーブが報告したものより高い比率を表している。