できごと

わたしにも里親の可能性があって良かったことと、地域での情報の少なさ

 わたしに短期でもフォスターケア、季節里親、レスパイトの可能性があって良かったのだと今頃になって知った。いまもわたしはそれを認めにくい。子どもの頃その可能性を知らず、他の子どもの可能性としても何も知らなかった。里親に関する情報を今になってやっと少しずつ知っている。


 地域に生きる一般の人として、わたしは7歳やもっと小さめな頃から、地域の里親家庭という存在についても身近に知っていても良かったと思う。そんな風に自由に知ることのできるもの、選択可能なものとして、実際に存在するあり方として情報が身近に存在することで、里親家庭の人たちを実際に知っていたかった。そのようなことが実際に地域で語られていてほしかった。

 わたしは大人になってから、やっと里親家庭、里親制度、養子縁組、養育家庭、季節里親、里親の体験・お試しなどを知った。

 子どものわたしはきっと児童館で、里親の情報を見たかった。図書館や地域センターで、里親に関する情報ちらしを見つけたかった。学校でも情報源やちらしコーナーがほしかった。1つもなかった。わたしが遊んでいて生活している範囲には決して、大人たちが里親について考え語り発信している実際のあり方は、なかった。

 わたしには里親制度に関するあらゆる情報が、たとえば「女性の生き方」「子ども虐待について」「セクシュアルマイノリティについて」「あらゆる差別問題」「シングルマザー」「シングルファーザー」「親サロン」「過労死について」「世界の貧困の子ども・戦争」「国連が勧告する人間の権利」などの情報と同じぐらい、地域に満ちてほしいという願いがある。

 男女参画センター(人権について一番豊富なので人権センターと勝手に呼んでる)へ行くと、上記の情報は満ちている。地域センターにだって多い。1つだけないものがある。里親に関する情報ちらし、パンフレットなどを男女参画センターで見たことは、数十か所で1度もなかった。あらゆるひとと子どもの権利を守ろうと活動している男女参画センターにも。
(最近、1か所の地域センターと1か所の人権センターで2種類の里親関連のイベントちらしを見つけて嬉しくなった。その前は15か所ほど人権センターへ行って里親関連は何も無かったから。人権センターに記されていたあるセンターには複数の里親関連ちらし・パンフレットがあった。流浪してやっと見つけた)

 一番気にしていることは、里親の情報をわたしが大人になってから知った事実。こんなに情報が少なくていいんだろうかというような。
 子どもだけの寝泊り場に一時期いただけで、疑問がいっぱいになった。あっけらかんと子ども達が集団で生活して寝起きしている事…。短期で過ごすのもつらい場所だと思った(個人的意見)。ごく自然に起こる暴力はさりげなくて、気ままな暮らしだった。盗みも、暴行らしきものもあって、スルーされていたと思う。記憶の中では小さな子どもが小学生か幼稚園児か分からないシーンもあって、自分の感覚がいまいち把握不可能。ここは、適切な場所のはずなのに、なぜわたしは、重大な危機感を持ってしまう異端なのか(でもある程度イマジネーションを働かせれば危機感を持っているのは大多数と思う)…。

 児童が60~100人程(うろ覚え、60以下ではなかった筈)居た、合わせてたしか複数の建物、そこにいた子のことはもっと考えていきたいし、里親について語ってはいけない強い規制を自分に入れがちな感覚も認識して把握していきたい。「どこの誰でももちろん!」自由に里親についてだって語っていって構わない筈だし。それに、さりげない気ままな暴力を、これはお茶の時間だ、と把握するよりももっと違う認識の仕方をしたい。